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2月のあれこれ

2月×日
朝、「ラ・ベットラ」の落合務シェフに銀座でインタビュー(「現代ビジネス」)。コロナ禍での飲食店のあり方、現在の状況をうかがう。初めて借金をしたと言いつつ、なんとかなるという前向きな姿勢を崩さない。無策に対しては怒りも隠さず。その足で、六本木「shojin宗胡」へ向かい取材のお願いをする。野村大輔オーナーに快諾をいただく。しばらく密着することに。すでに、いま出ている「週刊文春」のカラーグラビア「春の精進料理」でご紹介させていただいているのだが、これは、野村さんの人物ルポ(「AERA」現代の肖像)。
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「shojin宗胡」。進化する精進料理の先駆。

2月×日
福島県相馬市の「大野村農園」から卵40個が届く。昨年「相馬土垂」の取材でお世話になった農家。外食産業の自粛によって、卵が余り、このままだと破棄せざるを得ないえないというSNSを見て、あわてて注文する。卵はすべて平飼い。もう何年も前から家では平飼い卵以外食べていない。値段は張るが、個数を減らしてでも平飼いに執着している。20年以上前に訪ねた兵庫の鶏卵農家から話しを聞き、数年前に糸島の鶏卵農家にうかがってからというもの、ケージの卵を信じていない。飛べず動けずの中で育った卵への疑問。エサの栄養価や質を唄う業者は多いが、鶏のストレスに気遣う養鶏業者は少ない。一番大事なのは、平米当たり鶏を何羽に抑えるか、なのだ。日本がアニマルウェルネス後進国であることは、先日の吉川元農水大臣とアキタフーズの収賄事件を見ても明らか。世界的潮流であるアニマルウェルネスを日本に入れないようにと請願しての賄賂。時代に逆行したむちゃくちゃな話である。ここのところ「週刊現代」でも、卵問題が連続して取り上げられている。これはのちに、豚や牛にも波及していく話でもある。
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「大野村農園」の平飼い卵。どんな卵料理でもその違いは歴然。

2月×日
1週間後に予定されているコマーシャル企画の打ち合わせを代理店の方々数名とオンラインで。やはり、何度やっても慣れない。マスク無しで互いの顔が見られるというのが唯一の救いか。
2月×日
「宗胡」の第1回目のインタビューのため六本木へ。早く着いたので、インタビュー前にフジフィルムスクエアで「秋山亮二 津軽・聊爾先生行伏記」を覗く。昭和の匂いが心地良く、見入る。中学時代にすでに「美食倶楽部」を学内でつくって食べ歩きをしていた話などなど、インタビューは早々から面白い展開に。
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2月×日
芝浦の海岸スタジオで朝からコマーシャル撮影。今回はライティングなしで、動画のインタビュアーというのが私の役割。このためにまたまたPCR検査も受けた。それにそしても、一本の動画をつくるためにこれだけ多くの人たちが動員されることに、いつもながら怯える。あたかも映画撮影のよう。紙媒体のインタビューとは異なり、いろんな制約があって負担多し。終了後、主役のマネージャーとカメラマンと新橋で少し飲む。
2月×日
鎌倉の明王院でご住職の仲田晶弘さんにインタビュー。茶道の会で野村さんと知り合い、以来親交を重ねてきた友人。インタビューのあと、1235年に建立された明王院の本堂で住職から謂れを聞く。

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明王院本堂。鎌倉駅から少し離れているせいか、境内は閑静で心安らぐ。

2月×日
新橋演舞場で「お染と与太郎珍道中」。マスクをつけながら稽古し、無事、本番の終盤まで公演が続いたことに拍手。劇場内も徹底的に感染対策がなされていた。喜劇自体は私の老練度がまだまだ足りないせいで、感情入りきれず。
2月×日
六本木スタジオにて、大河ドラマ「青天を衝け」で渋沢栄一役を演じる吉沢亮さんにインタビュー(「AERA STYLE MGAZIN」2021.3.24発売号)。5時間後に第1回目の放送がスタートするというタイミング。シャイで媚びらず奢らずはいかにも城西の人という感じ。しかし、ひとたび話が始まれば、思いをきちっと言葉にしてくる。内側に秘めた力がすごい。
2月×日
夕方、慌てて出かける際、銀行のキャッシュカードを落としてしまう。振り込みの受け専門に使ってきた銀行で、振り込みがあるとすぐに別の銀行へ移すということを繰り返していたので、残高はわずかしかないはず。歩いた道を戻り探すも見つからず。クレジットカードであればあわてて止めるところだが、次の振り込みは週末だし、翌朝対応すればいいか、と放置する。
2月×日
朝、印鑑等を持って渋谷支店へ。受付でキャッシュカードを紛失したことを伝えると、その受付の女性がそのまま窓口で対応してくれる。今回厄介だったのは、キャッシュカードをなくした上に、住所変更、電話番号変更を十数年にわたって怠っていたこと。通帳もまったく記帳しておらず、なんと家中を探して出てきたのは、合併前の「さくら銀行」の通帳のみ。ウェブで必要な第一暗証番号を忘れて(突然Cookieが無効になり)アクセスもできず、八方ふさがりだったのだ。いったいどれだけの手間と時間がとられるかと思っていたのだが、担当女性はすいすいとにこやかに手続きしてくれる。しかも、残高は「116円」であることがわかり、カード再発行にかかる料金も口座から払えないという有様。いい大人の口座に「116円」。恥じ入るものの、女性の態度は変わらない(まあ、心の中では嗤い、ランチ時のネタになっていたかもしれないが)。30分ほどお付き合いいただき、カードも新デザインになり、スクランブル交差点に出たときには、なんだかそれだけで清々しい気持ちになっていた。


by issiharuo | 2021-02-18 11:53